事業計画

事業計画は、自分の事業の構想をまとめた一種の企画書です。財務諸表も事業計画の一部に当たります。特に専門の学校に行かなくても、書店で手に入る本で事業計画の立て方や整理の仕方等は簡単に修得できます。事業を真剣に立ち上げようと考えていらっしゃるみなさんなら、当然何冊かの書籍を購入されて勉強されているものと思います。ここでは、「私は、事業計画をどう考えているのか」を簡単に述べるだけにさせていただきます。

事業計画とは何か0

事業計画は、「誰に」、「何を」、「いくらで」、「どうやって」売って、「どれだけ儲ける」かについて書かれていなければなりません。これらは、ビジネスのねらいどろころによって、力点の置き方が変わってきます。「誰に」に新しい発見があってビジネスが成り立つ場合もあれば、「何を」に新しい発見がある場合、「いくらで」や「どうやって」に新しさがある場合など様々です。どの場合においても、事業計画を見た人が、事業の将来性を理解しやすい構成でまとめられていなくてはならないと考えます。

事業企画書のサンプル(リクルート「アントレ」)

いちから事業を始める場合は、このパターンの事業企画書になるのではないでしょうか?「何をやりたいのか」を中心にまとめたケースといえます。

事業計画書のフォーマット(日本インヴェストメントファイナンス)

いちから事業を始めるというより、すでに企業として運営されていて、その中で新しい事業のために資金が必要な際のケースといえます。

 事業計画のための視点0

事業計画を作るにはいくつかの参考になる視点があります。汎用の事業計画のフォーマットを穴埋めするのも簡便なやり方ですが、フォーマットの背景にある思考の筋道を理解することが重要と考えます。ここでは、

  • 戦略と実行計画を意識して区別する点
  • マーケティングとファイナンスが重要である点
  • 複数のプランを立てる点
  • 事業を回収するという点

の4つを説明します。

戦略と実行計画0

ビジネスを市場原理に基づいた自由競争ととらえると、従来からある軍隊の視点が参考になると思われます。

戦略

競争相手を意識して、いかにして競争相手に勝つかをまとめたものが戦略です。自分と相手との相対的な「強み」と「弱み」を把握し、相手の弱い部分へ戦力を集中するのが基本です。ビジネスの場合、戦場は「市場」になります。市場を徹底的に調べ尽くして、地の利で競争相手に勝つことも求められます。

実行計画

戦略ばかりではビジネスは始まりません。とくにはじめの1ヶ月については緻密な計画が必要です。自分の拠点がどこにあって、その周りのどこからアプローチするのかが明確になっていないといけません。実行計画においては市場というマクロな対象ではなく、顧客というミクロな対象を徹底的に調べ尽くす必要があります。

マーケティングプランとファイナンシャルプラン

より経営上のテクニックの視点でとらえるとマーケティングとファイナンスの視点が重要になります。

マーケティングプラン

経営学で研究されてきたマーケティングのテクニックは事業計画に大変役立ちます。

4P

マーケティングでは4つのPが大切とされています。

    1. Product
    2. Place
    3. Promotion
    4. Price

どんな商品を売るのかというProduct、どうやって商品をお客さんに届けるのかというPlace、どうやって購買意欲をかき立てるかというPromotion、いくらなら売れるのかというPriceを4P(フォーピー)と呼びます。4Pはマーケティングプランを立てるときのチェックリストになります。どんなに良い商品でも、販売経路がなくては売れませんし、お客様に知っていただかなければ売れません。商品がよく、販売経路も整備し、宣伝もよくやっても、価格設定が悪くて売れないということもあります。4Pがバランスよく働いて始めて商品が売れるということです。

セグメント

事業を考えるとき、どの市場にターゲットを絞るかということが重要になります。ターゲットを絞ることで、その市場によりマッチしたマーケティングを考えることが出来るからです。市場を特性によっていくつかに分けることを市場のセグメント化といい、分けられた一つ一つのセグメントと呼びます。事業計画でもセグメント化の考え方と、絞り込んだセグメントを説明すると説得力がまします。

ファイナンシャルプラン

ファイナンシャルプランについては財務諸表のページを参照してください。

複数プランの検討

日本人の特性として、計画を最善策に絞ってしまう傾向があります。しかし、基本的に(おそらくほぼ100%)計画どおりにことが運ぶということはありません。はじめから、起こりうるシナリオをオプションとしていくつか用意しておいて、その際にどういう対応をするかを検討しておく必要があります。事業計画の中に、いくつかの起こりうる事態とそれらへの対応策を盛り込んでおくと、事業計画に厚みがまして好印象を与えることが出来ると思います。

事業の回収0

事業をいつどういう形で、回収するかという点が非常に重要です。回収した後、再投資して事業を継続してもかまいません。投資に対して、何年後にいくら回収できるのかという視点を事業計画に忘れずに入れておく必要があります。

事業計画の書の章立ての例0

例10

輸入銀アクセサリーの卸販売についての事業化を考えたときの事業計画書の章立てを以下に示します。

  1. エグゼクティブサマリー
  2. 戦略の概要(ブランドイメージ、セグメント、成長計画)
  3. ビジネスプラン(企業概要、商品、市場動向)
  4. 販売とマーケティングの活動計画(市場浸透策、販売ルート、価格設定、販促計画)
  5. 事業のオペレーション
  6. リスクと対応策
  7. 財務計画
  8. 添付資料(財務諸表など)